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全ては反物から

「これは素晴らしい!!いつもながら素的先生のお作りになる作品はとても美に満ち溢れています」
目の前の男は手に持った薄い水色のワンピースを眺めながら私を称賛する。
彼の持っている服はなにひとつ特別なデザインや工夫はありません。捜せばどこぞの店で売ってそうなものです。
ですが、それからは何ともいえない清涼感と神々しさが感じられるようにも思えます。
「いやぁ~、やはり素的先生にお願いして正解でしたよ。これで娘も喜びます」
そう言って彼は笑みを浮かべ、私に向かって一礼します。それに対し、私も礼を返す。
「気に入ってもらえて私もその服たちもきっと喜んでいると思いますわ」
「はっはっは。確かにそうかも知れませんな」
男はそう言いながら手にもっていたワンピースを近くにあった紙袋に丁寧に入れ、そしてそれを持ち立ち去ろうとした時
「あ、そうだ…」
男性は突如何かを思い出し、足を止める。
「実はもう一着お願いしたいんですけど、ここ最近の予定は空いてますか?」
男性にそう言われ、私は懐からメモ帳を取り出しペラペラとめくる。
「ええ大丈夫です。どういった物をお求めで?」
「ええ。実は来月下町の方で夏祭りというものがあるらしいんですよ。近辺に住む子供たちは皆それに参加するらしいのです」
「はぁ、それで?」
「実は私の娘もそれに参加したいと言い出しまして…。それで先生に娘用の浴衣を制作していただきたくて…」
「わかりました。お引受けいたしましょう」
「本当ですか!?ありがとうございます。娘の写真は以前お渡ししましたよね?」
「ええ」
「その子に合うように作ってください」
「わかりました。完成したら連絡いたします」
私はそういい、男性が帰るとポケットから彼の娘の写真を取り出す。
「この子に合うタイプの生地は持ってないわね…。仕方ない」
私はそう言うと手元のハンドバックに適当な紙袋を詰め店を飛び出した。


駅前の大型デパート。ここは夕方には下校途中と思しき女子高生がたくさん集まります。私はとりあえず二階のアンティークショップに向かうことにしました。
「ねえ、寄って行こうよぉ~」
「ええ~。でも私お金ないし~…」
さっそく入口付近に3人組の女学生を見つけました。服装からしてこの付近にある高校の人間でしょう。
私はもう一度写真を見る。
この子は年齢の割にかなり清楚な容貌をしている。となるとピンクといった幼い感じのものは避けたほうがいい…。
やはり紺あたりが無難だろうと思われます。
そう思い、私は三人組を見る。
一番左端のいる紺色の髪を靡かせているロングヘアーの少女。彼女あたりが相当で良いでしょう。
そう決め、私は近くのベンチに腰を下ろし彼女らをじっくり監視し始めます。
しばらくして他の少女らがロングの少女に話しかけます。
「ごめん。私ちょっとトイレ行ってくるね」
「あ、私もついていくよ」
「わかったわ。私はここで待っておくから」
二人はそう言い残して向こうへ去る。それを確認すると私はゆっくりと席を立ち、その少女の方へ向かいます。
「ちょっと。そこのあなた?」
「はい?」
彼女のもとに歩み寄り、声をかけます。
「ちょっと。頼みたいことがあるんだけどいいかしら?」
「あ、はい。なんですか?」
親切な子なんでしょう。やさしい笑顔で私に応答してくれます。私は彼女の頬にすっと手を添えます。
すると彼女は突然虚ろな表情になり、周囲は時間が止まったかのように動かなくなります。
私は懐から小袋を取り出し、その中から小さな飴玉を取り出します。
「はい。お口、あ~ん」
私がそういうと、少女は虚ろなまま小さく口を開きます。そこに半ば無理やり飴玉を押し込みます。
「ゆっくりと舐めてね」
虚ろなまま少女は飴玉を舐め、
「……ふぇ?」
すると少女の体から力が抜け、手足をだらんとさせた直立姿勢の状態になります。
そのまま彼女の体から厚みがまるで空気の抜けた浮き袋のようにどんどんなくなっていきます。
それと並行して彼女の形状が細長い長方形のようになっていき、やがて自らの体重を支えきれなくなり床にひらひらと舞い落ちてしまいました。
私はそれと一旦丁寧に拾い上げ、全身が見えるよう広げてもう一度床に置きます。
感触はまさに反物のようで、虚ろな表情のまま全身をその中に押し込められたような感じです。
さて、こんな模様の反物を使うわけにはいかないので私は懐より粉入りの小瓶を取り出します。
この小瓶の中の粉はこのように反物になった女の子に振りかける、それをその容貌にあった綺麗な模様に変えてくれる優れものなんです。
さっそく床にある反物にこれを振りかけてみます。
パラパラ……
宙を舞い、光る粉が反物に降り注がれます。
すると、徐々に反物の模様が変わっていきます。髪の色と同じ紺を主とし、花のイラストのプリントされた綺麗な反物が出来上がりました。
ふぅ。まあこんなもんでしょう。
とりあえずその反物をくるくる巻きにし、持ってきた紙袋にしまいます。
一着を作る分には到底足りませんが、縮小サイズを作って後で大きくすればいいでしょう。
とりあえず時間を動かし、この場にはもう用はないので去ることにします。


「お母さん~。つかれたよぉ~」
「頑張って千佳ちゃん。あとでアイスクリーム買ってあげるから」
「ほんと!?やったー!!」
帰る途中アーケードのケーキ屋の前で、二人組の親子連れを目撃します。子供は小学生くらいでしょう。
母親は本当に子持ちかと思うほどの若々しくて綺麗な女性です。
そういえば浴衣に使う帯がまだでした。帯用の反物も仕入れなくてはいきません。
私は、彼女らにゆっくりと歩み寄ります。
「きゃあっ!」
目の前で娘の方がこけてしまします。私はすかさず手を差し伸べ、起こします。大事な商品に傷でもついたら大変です。
「大丈夫?」
私はやさしく声をかけます。
「う、うん…」
あわてて母親が駆け寄り、私に礼を言います。
「あ、ありがとうございます!」
私はいえいえと言うと千佳と呼ばれる娘の瞳を見つめゆっくりと頬に手を添える。
「へ?……」
徐々に虚ろな瞳になっていきます。先ほどと一緒でそれに平行して、辺りの時間が止まります。
「え?なにこれ?身体が動かない……」
後ろをみるとこの子の母親が混乱しています。血縁者の場合こういうことが偶におこるんです。まあ害はないので続けましょう。
私は先ほどの飴玉を取り出し千佳ちゃんの口の中に放り込みます。
ペロペロ……
そのまま彼女は手足をだらんとさせたまま徐々に体の厚みと形状を失っていきます。母親はその無残な光景を信じられない様子で見ております。
パサリ…
少女だった反物はそのまま床に落ち、私はそれを全身が見えるよう広げます。
「ち、千佳に何をしたの!?」
うるさいので答えず作業を進めます。
懐より小瓶を取り出し、床に敷かれた反物に向かってパラパラと粉を振りかけます。
すると、蜜柑色を主としたライン入りの可愛らしい反物が出来上がりました。
私はそれを拾い上げ、母親に見せつけます。
「はい。千佳ちゃん反物の完成?」
「そ、そんな…」
私は帯用の反物を見せつけるとくるくると巻き、紙袋にしまいます。
そして、涙を流している母親にそっと近寄ります。
「まぁ見られてしまった以上処分するしかありませんわね…」
それを聞き、母親は驚愕と恐怖の入れ混じった表情をしますが、すかさず頬に手を添えてあげます。
「私の店のディスプレイ用のマネキンにしてあげるのもいいけど…。元に戻ったら大変だし、ここは形が残らないように処分するのがいいわね?」
私は先ほどの少女同様この母親を反物状のペラペラにします。
それから粉ですがいつもの半分程度しか振りかけません。
お陰で目の前には桃色一色の無地の反物が出来上がりました。
そしてそれをくるくる巻きにすると、もう一つの秘薬を取り出します。
それをさっきよりも念入りに、その巻物状の反物に振りかけます。
するとそれから何とも言えない甘い匂いが漂い、形状もふっくら感が出てきます。
ピンク色のロールケーキの完成です。
それを丁寧に持ち上げ、目の前にあったケーキ屋に入ります。
「これは、私からのプレゼントですよ」
そう動かない老人コックに言うと、ガラスケースを開け適当なスペースにそれを置きます。
そして床に置いていた反物入り紙袋を手に取ると、時間を動かし辺りに騒がしさが戻ってきます。
「さて、早く帰ってこれを仕上げないといけませんわね」
そう言ってどういった感じにするかの構想を考えながら、夕方の騒がしいアーケードを抜けていきます。
「お母さん!このピンク色のロールケーキおいしいねっ!!」
途中のそんな声は私の耳には届いてはいませんでした。

こちらが完成したものでございます


とりあえず今回の浴衣もかなりの好評でした。
お客様も喜んでくださり私も大変満足です。
カランカラン…
ドアの開く音が聞こえます。
次のお客はいったいどんなデザインのものをお求めなのでしょうか?
ですがご安心ください。
きっとあなたのお求めになるデザインの生地を探し出し、素晴らしい洋服を提供いたします。
あなたはどんな物をお求めですか?

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COMMENT

No title

何だか懐かしいような気がする
ストーリーですね

以前のサイトにあったやつの
リメイクですか?

No title

動画を視聴させていただきました。本当にクオリティが高くて良かったと思います。そういえばこの動画の元ネタがトキさんの固め好きの原点でしたね。私は前作のようなハッピーエンドも面白かったですが、こういう鬼畜展開、バッドエンドの方がもっと好きでこれこそが固めの醍醐味だと思います。トキさんはどうですか?あと動画とSSの再掲載ありがとうございます。懐かしい・・・。

返信~!

>メルヘルさん
本当に懐かしい作品ですw
ただ、サイト初期のものをそのまま掲載したので、手入れは全くしていませんw

>(^-^)/
私の原点がこれ…ですので、断然鬼畜展開の方が好きですねw
ただよく意外と言われるんですが、固め以外の一般作だと断然ハッピーエンドが大好きなんですがw
SSはハードディスクがお亡くなりになったりして、残ってる数が少ないですが、残っていて、掲載できそうなものは随時掲載していこうと思います!

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