FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

優勝トロフィー

「いいか。これらを今夜中にしっかぁりと磨いておけよ!」
先輩の言ったそんな言葉がよみがえる。
今は深夜。ここはとある高校の水泳部の部室。もう時刻は十二時をまわろうかというのにその部室からは未だに光が漏れている。
中には地べたに座り目の前に置かれたミニチュアサイズの金、銀、銅の像それぞれ二種類を時々途息を漏らしながら磨いている一人の男性がいる。
彼は今年この部に入部したばかりの一年。彼が磨いているのは明日このブールで行われる地域密着の水泳大会の賞品であるトロフィーである。この大会は前述したように地域密着のためこの部代々伝統として行われてきたもので、地域の小中学生と共に練習し最後はこのトロフィーを賭けて試合をするというものだ。
「ふぅ。一組終わり」
ムキムキの筋肉男らの像を磨き終え、近くにあった箱に入れる。これは男子の部のものである。後一組女子の部のも残っている。
「まったく先輩たちこき使いすぎ。大体このトロフィーもなんでこんなに汚れてるんだよ」
女子の部のものも男子の同様若干サイズ小さめな筋肉男の像である。断言しよう。こんなもの貰っても嬉しくない。小さい女の子とかなら優勝してこれなら泣く。
だが、いくらここで愚痴を零したところで仕方ない。どうせ俺らは参加しないんだしこんなのさっさと終わらせて帰ろう。
そう思い、トロフィーに手を伸ばしたとき耳元で耳障りな騒音が聞こえる。
「・・・蚊か」
夏だし仕方ないか。どうせもう少し時間かかるんだから蚊取り線香でも焚いとくか。
そう思い、立ち上がろうと机に手を立てたとき何故か机を触ってるというかそんな感じの感触がしない。・・・なんだろう。支えられてないというか。
ふと、机を見る。何故か机は上の板はあるのにそれを支える足が一本ない。
・・・・・・・
気づいたとき、彼は大きく転倒した。
転倒しただけなら良かったのだ。だが、運悪いことにその机にはもう一組のトロフィーが乗っていた。
トロフィーは支えを失った机から宙を舞い、地面に転倒し無残にも砕け散った。
「あっちゃ~~…」
最悪だ。三つとも綺麗に粉々である。おそらく修復するのは不可能だろう。
彼は悩む。
どうするか?今から新しいのを…待て、大会は明日だ。間に合う訳がない。
彼は急いで散らばった破片と台座を持ち、ダッシュで部室から駆け出した。



「はぁ…どうしよう」
誤って許してくれるような先輩ではない。絶対半殺しにされる。半殺しというのがまた現実味があって恐ろしい。
そんなこんなで夜道を一人でトボトボ帰る。
「お困りのようですね」
いつから居たんだろうか。突如彼の目の前に全身黒いレースで身を包んだ老婆が彼の前にいた。
「良かったら私が相談に乗ってあげましょうか?」
優しい口ぶりで老婆はゆっくりと尋ねてくる。
「いえ。けっこうです」
彼はそう言うとそそくさと老婆を通り過ぎる。
確かに彼は猫にもすがるような思いだったが、見ず知らずの怪しい人と話すほど病んでる訳ではない。自分にそう言い聞かせる。
「あなたは今とっても欲しいものがあるんじゃないんですか?」
彼の足がピタッと止まる。
「良いものをあげましょう」
そう言うと老婆は服の中から指いっぱいに指輪をつけた手を出すと突如それが光りだす。
やがて、その手から放たれた光は地面にある物体を形成していく。
「……」
「これをあなたに差し上げましょう。もちろん無料で」
地面に現れたのは三つのリボン。ただそれだけである。望んでいるものと言ったからてっきり代理のトロフィーかと思っていたので少々落胆する。
「これで作るのです。あなたの壊してしまったものの代理を…」
「!!…おい、なんでオレがこわ……」
いつの間にか老婆は消えており地面には三つのリボンが。
貰わないのもなんだが悪いような気がしたのでとりあえずリボンを掴み、この場を後にした。



「・・・・・うっ」
気づくとそこは自分の家だった。そうか、あの後帰ってすぐ寝たんだった。
手を見てみるとしっかりとリボンが握られている。それはいいとして昨日帰ってすぐに寝てしまあったので汗でベトベトだ。なので彼はシャワーを浴びに浴室へ向かう。
浴室へ入り、服を脱ぐためリボンを床に置こうとしたとき、
「ふんふんふん~♪」
窓の外から歌声が聞こえる。これはもしやと思い、そっと窓の外を見る。
「うお!たまには朝シャンしてみるもんだな」
向かいの風呂場でシャワーを浴びている少女が見える。彼女はこの近くの中学に通う女の子である。彼女も水泳をおり本日の大会等で話すことは少しだがあった。
もちろん、隣にこんな男子が居るわけだから窓を開けてシャワーなど夜は考えられない。
おそらく朝だと思って油断していたのだろう。
(もっと。もっと見せろ~)
オレはできる限り窓を開かぬようにしつつ彼女の裸体を見ようとする。
(くそっ。湯気で下が見えない)
そんなアホらしいことを考え、見るのに夢中になっている彼は弾みで手に持っていたウチのリボンの一つを落とす。
「ふんふ……」
突如彼女の鼻歌が止む。見つかったかと思い身を隠すが反応はない。
シャワー音以外に何も聞こえなくなり不振に思った彼はもう一度彼女を見てみる。
たしかにシャワーは浴び続けているが、彼女は微動だにしていない。
試しに窓を思いっきり開けてみる。
変化はない。
まるで彼女だけ時が止まったようである。
「なんなんだ一体……」
オレは落ちたリボンを拾うと何を思ったか窓から飛び降り、彼女のいる浴室まで足をしのばせ、思い切って中に入ってみる。
だが、彼女は動かない。とりあえずシャワーを止める。
「いい身体してんな…」
身体をゆっくりと撫でてみる。目を瞑ったまま片腕を伸ばし華麗な姿勢でそこにいる。これが石像などであったら芸術物かもしれない。
「このまま持ち帰ってちまおうかな?…て、そんなこと言ってる場合じゃない!どうしてこんなことになったんだ」
ふと、手にあるリボンを見てみる。確かこれを手から離した瞬間この子が動かなくなったんだ。だが、もう一度持ってもこの子は動く気配がない。
巻いてみるといいかも。そう思い彼は彼女の腕にリボンを結んでもる。
「…なんかトロフィーみたいだな」
やはり何もなかったので取ろうとしたとき彼女の身体が光りだす。
そのままの形態を保ちつつ光に包まれはそれはどんどん小さくなっていく。彼はあっけにとられ、そこから動けない。
やがて、人形くらいのサイズになると光が収まってくる。
コトン
鈍い金属音が響く。
それは確かに彼女の姿をしているが全身は茶色一色の金属、そう銅のようになっている。
彼は恐る恐るそれを手に取る。手触りも見た目も元が到底人間だとは思えない。
「…………!」
それを見て彼は一つの考えが浮かんだ。
その銅像を持ったまま、彼の部屋に戻る。そして、昨日壊してしまったトロフィーの台座を出す。幸い台座は無事であった。
適当な接着剤を持ち三位の台座とその小さな銅像とくっつける。
「お困りのようですね」
昨日の老婆の台詞を思い出す。
「……ありがとう。おばあさん」
彼は微笑みに満ちた表情でその新しく出来たトロフィーを見つめ呟いた。


トロフィー

大会当日
「おいお前!女子用のトロフィーないぞ!!」
大会実行委員であり彼の先輩である男性が詰め寄るってくる。
「あ、すみません。ちょっと不具合があったもので…」
彼はそう言ってテーブルに載せてある三つのトロフィーを見せる。

「・・・・・・」

「ん、なんだこれ?マッチョマンのやつはどうした?」
テーブルの上に置かれているのは台座こそ同じであるが、それぞれの像は以前の物とはまったくの別物であった。
銅賞の物は何故か裸で、金、銀はそれぞれ今大会の参加者の大部分が着用している競泳着を着ている像であった。作り物とは思えないほど細かく作られており、芸術品のようである。
「すみません。コレ、実は知り合いから貰ったもので。こっちの方がそれっぽいかなと思って付け替えてしまって…。もしダメなら元に戻しますよ」
頭をかきながらまじまじと答える。先輩は一通りトロフィーを見た後、にっこりと微笑み。
「いいじゃないか。よし。これらを本部席の所に持って行け」
先輩にそう言われ、彼は大きく返事をするとさっそくトロフィーを抱え始める。先輩は、それを確認すると部屋を出ようとしたが、足を止める。
「あ、そうそう。それが終わったらでいいから人探しをして欲しいんだが。
……えっと、○中学校、佐藤 佳奈美。××小学校、澤田 千佳。なんか、急にいなくなったらしい。お前は学校周りを詮索してくれ。見つかったら知らせる。じゃ」
先輩はそれだけ言って、走りながら部屋から飛び出していった。
彼は三つのトロフィーを慎重に抱えると、ゆっくりと本部席の方まで歩き出す。
これを置いたらしばらくは時間ができそうだ。
久しぶりに暇が出来そうだな。
なんせ、そんな人間もういないんだから。


スポンサーサイト
[PR]

FC2公認の男性用高額求人サイトが誕生!
稼ぎたい男子はここで仕事を探せ!
デリヘルもソープもイメクラも気に入った子がきっと見つかる
超大型リニューアル中の大好評風俗情報サイト!

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。