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怪人 ~正月編~

「…はぁ、だっるぅ」
早朝の神社。っといってもまだ大晦日。翌日の初詣まではまだかなりの時間があり、神社に人は準備人以外殆どいない状態。
社から少し離れた石垣の階段で、ゆっくりとホウキを持つ女性が一人。
「こりゃ!!もっとシャキッとせんか!!」
階段の上から一人の老人の罵声が聞こえる。
「でも、おじいちゃん。私もうすぐセンター試験だし…。早く勉強を」
「甘――い!」
思わずビクッと震える。
「かぁ――、情けないぞ!日本有数の聖なる神の血を受け継ぐ一族の末裔がコレとは…」
「コレで悪かったね」
「とにかく!センターだかハンターだか知らんが、そんな物を優先するとは…」
「全然違うし。何?私猟師の試験でも受けるの?」
「うるさい!!とにかく、今日一日は神社のためにせっせと働いて貰うからな!」
老人はそう言って、プリプリ怒りながら去っていく。
そんな様子を見ながらため息一つ。
これでは今年は浪人かな、などと考えている時
「はぁ―い!そこのお譲さ~ん!」
草むらから声が聞こえ、振り向く。
そこにはまるでヒーローショウとかでよく見る、怪人の着ぐるみを着た二人組が手を振っている。
予想外の事態に少し思考が停止する。
「はぁ――い、アナタ聖なる血縁の巫女さんですね?」
「…は、はぁ。おじいちゃんは一応そう言ってましたけど」
思わず答える。というかこの非常事態。逃げた方がいいのだろうか。
カチャっと、その怪人は玩具の拳銃を取り出す。
「アナタには、ジャパニーズ門松になって貰いましょう」
そう言って、怪人は即座に引き金を引く。
ビビビビ――――
「え?…ひやぁ!!」
謎の怪光線が発射され、巫女にあたる。
ポンッ
という音と共に、巫女は煙に包まれる。
やがて、煙は晴れるがそこには彼女の姿はなく、代わりに一個の小さな門松が置いてあった。
二人組は、それを丁寧に持ち上げる。
「ウ~ン、やっぱり聖なる力を感じるよ。若いしこれは最上品だな」
そう言って、その門松を抱えたまま階段を降りはじめた。

翌日
トゥルルル……
自宅に電話が鳴り響く。
「あ、…お~い、千佳ちゃ~ん!」
明らかに都会ではないが、田舎と呼べるほど何もない場ではない所。
年も明け、正月準備に勤しむその家に住む老婆がいた。
毎年恒例で、孫や子供らが帰ってきているこの時期。この老婆の家もそうだった。
準備中、呼び鈴が鳴り響くが玄関に注連飾りをつけようとしていたため、どうも両手が塞がったままである。
そのため、これを持っていてもらおうと考え遊びできている孫に助けを求めたと言う訳だ。
「な~に?」
のんびりしきった顔で祖母の元へやってくる少女。彼女がこの老婆の孫にあたる。
特別幼すぎるという訳ではないようだ。おそらく小学生高学年くらいだろう。
「ちょっとこれを持ってて。すぐに戻って来るから」
祖母はそう言い、居間の方へ走っていく。
「は~い」
軽い返事をし、玄関に腰かける。
だが、お年寄りの電話。会話が非常に長い。しかも少女の年齢からするとこの時間は退屈でしかたがないといった感じだ。
「なにしてんの?」
「あ、お姉ちゃん」
足をぶらぶらさせながら暇そうにしている、少女に居間の方からやってきた女の子が声をかける。
「おばあちゃん来るのまってんの」
「え、マジ?ばあちゃんの電話長いよ~」
「……みたいだね」
姉も隣に座り二人で談笑を始める。
それから数分間、しょうもない事で会話を盛り上げているなか。
「……ん、なんだろう?この匂い…」
姉が何かの匂いに気づき、呟いた。
「さっきから匂っていたっけ?」
「…さぁ?…」
芳香剤のような…かといって吸い過ぎても気分が悪くなりそうにない、心地よい香り。
そんな香りがどこからか漂ってくる。
「…にしても…いい香り」
姉は、スッと立ち上がりその匂いの元を探し始める。
妹も注連飾りを持ったままそれに続いていく。
心なしか二人の足取りは、どうも正常とは思えない。
「…あれ、なんだろう?」
数歩先に、ある何かを発見する。
それは、門松。小さく一見普通の形だが、どこか美しい。そんな感じがした。
「あ、何か出てる…」
よく目を凝らすと、その門松は薄いピンク色のオーラ、というか気体を纏っている。
どうやら匂いの正体はその気体らしい。
少しの間それを見つめると、次の瞬間。
「あっ!」
妹が驚声を上げる。
彼女が持っていた注連飾りだが、それがなんと霧のように突如崩れ始めた。
ピンクの霧のせいか、虚ろな妹はその崩壊を遅い手つきで阻止しようとするがどうにもならない。
その崩れた注連飾りだが、それは一回散乱した後門松の方へ吸収されていく。
妹が虚ろながら慌てた素振りを見せる中、門松はそれをすべて吸収してしまう。
そして
プシュ――――
「「きゃあっ!」」
門松は今度は逆に物凄い勢いで少女らに向かって気体を放出し始める。
「ケホ、ケホッ…なにこれ………あ」
ポン
「ケホ……お、お姉ちゃん?……あ」
ポン
2人の姿が軽い音と共に消えてしまう。だがそれと同時に
ポトッ ポトッ
っと、2個の注連飾りが現れ地面に落ちる。
煙も晴れ、辺りは静かになる。
そこには何事もなかったかのように、門松と2個の注連飾りがあった。

「リーダー。只今帰りました~」
地下なのか。暗い部屋。先ほどの着ぐるみのような怪人が両手に門松と注連飾りを持って入って来る。
「おお、手に入ったか」
「ええ。やっぱ聖なる力。凄いですね!公園や住宅街に置いとくだけで、勝手に道具作ってくれるんですもん」
そう言って、それらを地面に投げ落とす。
「その注連飾り。二個出来ちゃったんで、片方は近くの家に置いたんですけど」
「まぁ一個あれば十分だからな。…ほら、さっさと準備を」
「はい」
今日は怪人たちの正月。
ヒーローなんて居もしないため、好き勝手暴れる無法怪人。
そんな怪人のひと時の休息。
「ほ~ら、見てくれ!おせち料理」
鳥頭の割烹着を着た怪人が、嬉しそうにそれを見せる。
「おぉ――、つくったんすか?」
「いいや、今日近くの小学校のグラウンドで凧揚げ大会やっててね。そこにいた5年2組の子供たちをおせち料理にしてあげたの。それぞれ個性豊かな子たちだから、きっと美味しいよ」
「それは旨そうですね」
他の場所では、
「見て見て!この間のお餅!」
ワニ顔の怪人が、手にちょっと形の変な餅をもってやって来る。
「あ、それ確か大分前の」
「そう!皆で近くにいた女の子捕まえて、ペッタンペッタンやった時の!もう中まで完全に餅になってるみたい!」
良く見ると、人間を粘土のように潰した形のようにも見える。
怪人はハンマーを持って来て
「そぉ――れ!」
と餅に向かって振り下ろす。
餅は気持ち良い程綺麗に割れる。仲身も真っ白美味しそうなお餅。
「うっひょ――、旨そう!早く食べましょう!」
「慌てない、慌てない。この世界の決まりでね、このお餅はさっきの門松や注連飾りを焼いてその火で焼くんだよ」
「へぇ~、そうなんですか…」
「聖なる力でもっと美味しくなりそうですよね」
餅について楽しそうに談笑する怪人たち。
「さ、早く準備済ませておせち食べよう!」
「「「はぁ―――い」」」
その後、正月のめでたい物にされた人たちは、怪人たちに美味しく食され、あるいは焼かれてしまいました。
怪人たちの正月が行われる地区では注意しましょう。

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