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怪人 ~洋服屋編~

「あれ?おかしいな……。みんな何処にいっちゃたんだろう?」
日曜日の昼間のデパート。地方の方に住むとある中学生の少女たちは、休日を利用して大型デパートに遊びに来ていた。だが、その内の一人の子が皆と逸れてしまっていた。
「あーもう、どうしてこんな日に限って携帯忘れるかな…」
少女はそう言って落胆しながら、気の向くままに探してみる。
だが、一向に見つからない。
どうして街中のデパートはこんなに広いんだろう。そんなことを考え、取りあえず一階にある洋服屋を訪れた
。 友人を探すことさえも忘れて店内を歩き回る。
わぁこれいいな。着てみたら今より絶対可愛くなるのに…。など、値段からして着る事は有り得そうにない服を見て、物思う。
ガヤガヤガヤガ……
「…ん?」
……
突如店内に静寂が訪れる。子供の喚き声、オバサンたちの大声のお喋り、若い兄ちゃんのはしゃぎ声、などすべての音が消える。当然、さっきまでうっとおしいほど動き回っていた人々も今は誰一人として動いていない。
「……あ、あの、すみません!」
自分の隣にいる女子高生に話し掛ける。だが肌は石のように硬く、返事をする気配もない。
「いったい何なの……」
少女が困惑していると遠くの通路で何が何かが動いたような気がした。
よかった、助かる。そう思い、そっちへ向かおうとしたとき少女はそれを見た。
「……!」
それの姿を見たとき彼女は近くにあったマネキンの後ろに隠れる。
「な、何あれ…」
それは、そう、日曜の朝早くからテレビであっている戦隊もので出てくる怪人そのものだった。着ぐるみみたいにデカイ体。大きな口。頭のてっぺんにはビームか何か出しそうな触覚。少しばかり愛着が湧きそうな顔。まさにそれは怪人だった。
「……よし、誰もいないな。」
怪人はそう言うと、エレベーターに向かって歩き出す。
どうしよう?何か言うべきか、言わざるべきか…。少女は迷っていた。
ゴト
「あ」
「む!何奴!?」
怪人がこっちを振り向く。そして、彼女を見据える。
「あ、あの…」
「むむ!人間がなぜここで動いていられるのだ!?」
怪人は、頭を抱え埋まる。その仕草は可愛さを感じるほどだった。
「マズイマズイマズイ!!この事が番長に知られたら……」
ゴツン!
「いた!」
怪人が後ろに放置されていたマネキンにぶつかる。
「ったく、何だこれ!!……ん?」
怪人が後ろのマネキンと少女を双方見る。そして、手をポンと叩く。
「そうだ!いい事思いついちゃった」
怪人はそう言い触手を立て、少女に向かってビームを放つ。
「きゃあ!」
光線は少女に直撃する。すると少女の身体がしだいに光沢を放っていく。首筋にもラインのようなものが現れ、瞳の色も消えていく。
しばらくして、怪人は光線を出すのをやめる。が、少女は動かない。
怪人が近寄り、顔を叩く。
コンコン
硬い無機質な音が返ってくる。
「これでよしっと…」
怪人は、動かなくなった少女を軽く持ち上げると、通路沿いに鎮座されてあるマネキンたちのもとに運ぶ。
四体のマネキンが様々なポーズを取り置かれている。怪人はそれらを端に寄せ丁度もう一体が入るくらいのスペースを作る。
「これでよしっと」
怪人は担いでいる少女をその場に置く。その姿は隣に置かれているマネキンと大差なかった。
「我ながらナイスアイディアだな。これで証拠隠滅って訳だ。」
そう言って怪人はさっさと上の階に上っていった。しばらくして、時間が動き出す。
「店員さ~ん。すみません、この服タグがないんですけど」
マネキンが鎮座されている場所にいる女子高生が店員に声をかける。店員はすぐにやってきて端のマネキンが着ている服を確認するがタグが見あたらない。
(…おかしいな。そもそもこんなマネキンあったっけ?)
とりあえず、店員はそのマネキンが着ている服に適当なタグをつけるとその場を後にした。

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