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裸のヌイグルミ

過去作の再掲載です。
人形化です。


豪雨が吹き荒れる中、幼い少女“千佳”を連れた一際美しい女性“桃子”は戸惑っていた。
「ママぁ…」
「千佳、大丈夫よ。どこかに雨宿りできる場所はないかしら…」
ちょっと山頂付近まで散歩しに来ただけであったハズなのに見知らぬ場所に来てしまい、彼女らは雨の中困り果てていた。
「あ、ママ、あれ!」
少女が何かを発見する。女性は少女の指差す方向を見るとそこには見知らぬ家が一軒不自然に立地している。
不審に思う桃子であったが娘がびしょ濡れな姿を見て、意を決しそこを訪ねてみようとした。
コンコン
「…はぁ~~い。今で出ま~す」
カチャ
中から出てきたのは髪の毛がボサボサで目の下に判るほどの隈ができた女性であった。一見すると男性のようにも見えるが声ですぐにわかった。
「あ、あの、すみません。この付近を散歩していたら急に豪雨に見舞われて…。娘もおりますのでどうかしばらくの間お暇させては頂けないでしょうか?」
桃子の台詞を聞くとその人物は、手招きをしながら家の中に入れる。
「夏とはいえ、寒かったでしょう?タオルか何か持ってきますのでどうかその辺に座っていてください」
その人物はそう言うとタオルを取りにどこかに行く。見た目はちょっとアレな感じだが良い人だなと桃子は思った。

家の中はとても日本の家とは思えないほど洋風な造りでどこぞのお屋敷のようでもあった。
「どうぞ。はい、お嬢ちゃん」
女性は、奥の部屋から持ってきたタオルを二人に渡す。
「ありがとうございます」
「…ありがとう…」
千佳はその人物の雰囲気上若干怖がっている。そんな少女を桃子は少し叱咤するが、彼女は気にしなくていいと愛想笑いを浮かべる。
ガタン! ガタン!
二階のほうから少し物音が聞こえる。二階は現在座っているソファーから見ることができ、桃子と千佳は上を見上げる。
「…ご迷惑をお掛けしてすみません。ウチの娘です。人形遊びに夢中になると時々騒がしくなるんです」
「いえいえ、とんでもない。この居間には来ないんですか?」
「娘は重度の人見知りでして…。人形と私ぐらいしか話そうとしないもので……。あの、もし宜しければしばらくしたら娘と遊んでやってくれませんかね?話してあげるだけでいいんです…」
「も、もちろんですよ。ね、千佳?」
「うん」
話している内に少し打ち解けたのであろうか。千佳はさっきよりも怖がらずに返事をした。
それを聞いて少し安心した桃子はこの屋敷を軽く見渡す。すると彼女の後方の方にある部屋の扉が半開きになっていた。視線を凝らし覗いてみると、人形数体と手芸の用具がたくさん散らばっていいる机が見えた。
「…あ、人形を作ってらっしゃるんですか?」
「ええ。…実は私人形職人とでもいいましょうか。そんな感じの仕事をしてるんです」
紅茶をすすりながら女性は話し出す。
「まぁ、作ってるのは専らその人形の着る洋服で…。人形の本体のほうは正直あんまり得意ではないんですよ」
「でも、あの人形とってもかわいいですよ」
「そう言ってもらえると本当に嬉しいです」
「…くしょんっ」
千佳のくしゃみが響く。
それを見て桃子が千佳の服を触ってみるとまだかなり濡れていた。
「…よかったらお風呂にでも入りません?着替えは私と私の娘の分がありますので」
「え?…でも、そこまでお世話になるのも…」
「くしょんっ!」
寒がっている千佳の様子を見て、やむを得ず言葉に甘えることにした。

桃子たちが浴室に入ったのを確認すると女性は人形作りの机の引出しを開く。その中には沢山の携帯ストラップの紐だけのような物がある。女性はそれを丹念に選んで、二つを取り出す。
「待っててね。愛…」


浴室は一般家庭よりも大きく、金持ちなんだなと桃子は思う。千佳の服を脱がせるのを手伝い、その後自分も服を脱ぎ浴場に入る。
「わぁ、広い!」
「凄いわねぇ…」
改めて申し訳なく感じる。そのまま浴槽に入ろうとする千佳を止め、体を洗うように即し、自分も髪の毛を水で流す。
洗い終えると二人で一緒に浴槽につかる。
「はぁ…あったか~い」
「ホントねぇ」
千佳を傍に抱き寄せ、二人で一緒に漬かる。
「…あっ、ペンギンさんだ!」
千佳は入り口付近にあったペンギンの形をした洗顔を見つけ其処に近寄っていく。
「まったくもう…」
桃子は持っていた手ぬぐいで顔を数回拭き、そんな娘の無邪気な様子を見守る。
ガチャ
「湯加減はどうですか?」
そんな中、女性が服のまま浴場に入ってくる。それを見て桃子は一礼する
「…ペンギンさん可愛い?」
女性がしゃがみ込み千佳に尋ねる。
「うん!」
「そう。それはよかったわ。じゃあ、あなたも同じお人形さんにしてあげるわ」
「え?」
千佳は突然奇怪なことを言われ理解できない。女性はすかさず、もっていたストラップの一つを千佳の頭の上に突き刺す。
グニョ
ストラップは綺麗に千佳の頭に埋め込まれる。千佳は突然のことで取り乱し頭の上を何度も払う。
「え、え?なにこれ?…いやぁ、…いやあぁ!!」
ピカァー
千佳の身体が光に包まれ、少しずつ小さくなっていく。女性はそんな千佳を見ながら彼女の頭についている紐を掴み、いとも簡単に持ち上げる。
ピカァ……
やがて、手の平くらいの大きさになると光が消えその全貌が明らかになる。
「ふふふ…。可愛いお人形さんの出来上がり」
女性の手には布と綿の素材で出来た、千佳を大幅にディフォルメした裸のヌイグルミが出来上がっていた。
人形になってしまった千佳と凶変してしまった女性を目の前に桃子は呆然と見詰めている。
「…ち、千佳をどうしたの?」
震えながら女性に尋ねる。
「見ての通り。お人形さんにしてあげたの。千佳ちゃんだっけ?素材が良いからとっても良質のお人形さんが出来上がったわ」
さっきまで千佳であった人形を女性は人差し指でぷにぷにと突付く。
「あ…あ…あ……」
桃子は逃げようと立ち上がろうとする。しかし、何故か動くことが出来ない。
「無駄よ。あなた達人間が私たちから逃げられるわけないでしょ」
女性はそう言って桃子に近づき、頬をゆっくりと撫でる。
「本当に綺麗な肌ね。子持ちとは思えない…。さっきの子は何だかんだいってもまだまだお子ちゃまだからね。あなた程なら極上の物が出来上がるわね」
そう言って、もう一つのストラップを取り出す。
「…や、やめ」
ぷす
桃子の頭に差し込む。
「や、…や、やあああぁ!!」
ピカァー
千佳と同様に光に包まれ徐々に小さくなっていく。
ピカァ…
「おっと」
やがて、手のひら位の大きさになると、光が消え全貌があらわになる。女性は落とさないように桃子の頭上についた紐を掴む。
「…う~ん。親子セットのお人形完成」
変わり果てた姿になった2人…いや、2体を見て女性は満足そうにする。
「待っててね、愛ちゃん。今すぐ、完成させるから」
二つの人形を抱え、浴槽を後にする。
その後、女性は二体を持って例の作業部屋に入る。人間を直で人形にした場合でも作業はけっこうある。

「…タ、スケ…」

まず二体を人形台の上に置き固定する。女性は引出しから紫色の“厳重注意”と書かれた塩のようなビンを取りだす。
まず桃子人形を外し、ビンを人形に振り掛ける。その後、粘土を軽くこねるように揉み解す。中身は綿のみのため柔らかい感触が伝わる。
「この粉末はね『不可逆粉』って言ってね、これを振りかけるとあなた達は24時間後には完全なお人形さんになって二度と元には戻れなくなるのよ。もしかしたら何かの弾みで魔法が解けちゃうかもしれないからね」
桃子人形をもみ終えると、今度は千佳人形を取り出し、粉を振り掛ける。
「ごめんね、千佳ちゃん。いくら私でもあなた位の子だとお人形にしちゃうのは可哀想だって思ってるのよ」
そう喋りかけながら千佳人形もじっくりほぐしていく。
その後、二つを仰向けに寝かせ、二つのシートを取り出す。
「愛ちゃんが飽きちゃったら、あなた達二人は製品として販売するからね。しっかり諸事情を記入しておかないと」
女性は二体の背中にバーコードの付いたシールを貼り付ける。
そして、桃子人形を台の上に寝かし、股を若干開かせる。女性は裁縫道具からピンセットを取り出し、人形の股間の上に生えている毛のような糸くずに数回触れる。
「こんな姿になっても毛の処理をしてあげないといけないなんて困った子ね。めっ!」
そう言って、ピンセットで桃子人形の頭を軽くたたく。
そして、ゆっくり、丁寧に人形の股間の毛を抜き始める。
しばらく作業を続け、そして。
「出来た。ふぅ、お人形にこんな糸くずがあったらおかしいからね」
そう言って処理がすんだ股間を指でつつく。
すべての処理が終わり、それぞれ服を着せ二階へ上がる。
「さっきの粉が深部まで浸透するにはまだ時間あるから、ただの人形になるまでジックリ愛ちゃんと遊んであげてね」
人形らに語りかけそして二階の扉を開く。
カチャ
「愛ちゃん!お人形できたわよ。ほら」
「うわぁ…。可愛い!!ねぇまた、お名前あるの?」
「もちろんよ。ママ人形が桃子ちゃんで、子供の方が千佳ちゃんよ」
「お母さん!ありがとう!!やっぱりお母さんはずごいね」
「当たり前よ。愛ちゃんのためなら何だってしちゃうわよ」
女性は満面の笑みを浮かべて、部屋から出て行った。
少女は出しっぱなしのドールハウスの付近にある人形を端っこにやると、二体の人形を握り締め、さっそく一人芝居をはじめる。
(…ち、か…)
(ぉ…かぁさ…)
人形たちのそんな声は少女の耳に届くことはなかった。

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