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食品化



以前有料販売していた動画です。諸事情により、無料公開とします。
以下、シナリオになります。



 ■登場人物
サユリ … おとなしい性格の少女

ノゾミ … カナエの母

カナエ … ノゾミの娘

妹   … サユリの妹

店員  … 魔法使いの悪女


■概要
ある魔法使いの運営するスーパーマーケットの話。
そこの食品売り場には、実は元人間を魔法でお菓子に変えたものが混ざっている。
魔法使いの店員は、そこで多くの人間をお菓子に変え、店の商品としていく。
本物語は、スーパーマーケットに訪れた数人の女性がお菓子に変えられ、店頭に並び、客に買われ、食べられる。または廃棄処分される過程を描いたものです。


     スーパーマーケットの食品販売所。
     ノゾミとカナエが食品を選んでいる。
     カナエが、試食コーナーでクッキーを食べる。

カナエ もぐもぐ…うまい!(食べたクッキーが美味しかった) お母さん、これ買って!
ノゾミ はいはい。買ってあげるからカゴ持ってきて。
カナエ はーい!

     カナエ走り去る。
     ノゾミも試食する。

ノゾミ あむ(クッキー食べる)。確かにおいしいわね、このクッキー。

     食べ終えると、クッキーが売られているであろう棚を見る。しかし、クッキーはない。

ノゾミ あっ、売り切れてる。試食は残ってるのに、肝心の商品がないなんて…あら?

     床に落ちている空の袋に気づく。

ノゾミ もう、こんな場所にゴミ捨てるなんて。でもどうして袋だけ…中身はないのかしら?
店員  おいしそうなクッキーですね。
ノゾミ へ?

     店員がノゾミを見てそう言う。
     少し間をおいて、店員がクッキーを指してそう言ったのだろうと推測する。

ノゾミ クッキー…? あ、これ(試食品)のことね。
店員  あなたもそう思いません?
ノゾミ そうですね。いい香りですし。
店員  ふふふ、本当にいい香りですね…。

店員、不気味な笑みを浮かべノゾミを見つめる。

店員  肌艶もスタイルも抜群。本当においしそうですね。極上のクッキーが出来そう。
ノゾミ …あの、何のお話でしょう?
店員  こっちの話ですよ。あ、お一つ試食してみません?

     ノゾミ、袋を手に持ったまま、試食コーナーのクッキーをもう一つ食べる。

ノゾミ あむ。…うん、甘くておいしい。

     ノゾミの『甘くておいしい』の台詞に袋が反応し、発光する。

ノゾミ へ? 袋が光って…きゃっ!(突如衣服が消え、裸になる)

     着ていた衣類が、霧のように消え去る。

ノゾミ ななな、何で裸に…ふわぁ!?(身体が宙に浮く)

     身体が宙へ浮く。どうにか身体を動かそうとするが、固まったように動かない。
     ポーズは大の字のようなもの。

ノゾミ いったい、何か起こって…た、助けて下さい!
店員  ふふ、おいしいクッキーになってね❤
ノゾミ …ふぇ?

     袋から不思議な光線が放たれる。それがノゾミを直撃し、悲鳴をあげる。

ノゾミ 《3秒》い、いやああぁあぁぁぁぁああぁぁぁぁぁ!(光線を浴びる)

     光線に包まれ、ノゾミの身体が変化する。
     無理やり直立姿勢に変えられ、姿かたちもクッキーのように平べったくなる。
     表情も、恐怖から満面の笑みへ変わる。

ノゾミ 《3秒》いやあああああぁぁぁぁぁぁ!(腕が無理やり身体に添えられ、直立になる)
ノゾミ 《3秒》ぁぁぁぁ、あっ、あっ、ああ、あっ、あうっ!(足が伸び、無理やり直立になる)
ノゾミ 《3秒》あ、あっ、ああ、あっ…あ…あ…あは❤(徐々に笑顔の表情になる。『あは』の部分は微笑むように)

※↑の4つの台詞は、文字数ではなく、秒数を基準としてください。書いてある台詞は参考程度でお願いします。
また、1秒4円として計算しました。

     ノゾミは煙に包まれ、姿が消える。
     煙のなかから、ノゾミの形をした小さなクッキーが現れる。

店員  はい、いらっしゃ~い。

     クッキーは袋の入り口に移動し、袋の中に納まる。

店員  ミルククッキーの出来上がり。

     入り口が閉じると、袋の表面にノゾミのイラストと『甘くて、おいしい』と書かれた吹き出しイラストが浮き上がる。

店員  『甘くておいしい』か。ふふっ、本当においしそうな姿になりましたね。
ノゾミ …へ? 店員さんが大きく?
店員  どう? クッキーになった気分は?
ノゾミ クッキー? 一体何のこと?
店員  クッキーはおしゃべりできないんでしたね。こんなに笑って、よっぽどクッキーになったことが、嬉しかったんですね。

     店員がノゾミクッキーの質感を確認する。

店員  そうだ。面接の時間でしたね。

     ノゾミクッキーを棚に置き、店員ははける。

ノゾミ 私、いったい……え? なにこれ…やだっ、動けない!
カナエ あれれ~、お母さんどこいったんだろ?
ノゾミ カナエ! 私はここよ!
カナエ あ、誰かクッキー置きっぱなしだぁ! いっけないんだ~!

     カナエ、ノゾミクッキーを拾い上げ、棚に並べる。

ノゾミ え、クッキーって…ひゃぁ!?
カナエ うんしょっと。お母さんどこ~?

     カナエ、徐々に記憶が改変される。
     ノゾミの記憶が消え、初めから自分に母親がいなかったよう思い込む。

カナエ あれ? へんなの~、あたしにお母さんなんていないのに、何言ってんだろう? 急いで帰ろう。
ノゾミ カナエ! カナエ! お母さんはここよ! 待って、行かないで!

     暗転。



     同じスーパーマーケット。
緊張した面持ちのサユリの隣に、呆れ顔の妹がいる。

サユリ あっ!

     チョコを食べようとするが、緊張で手が震えてしまい、落としてしまう。

サユリ はぁ…。

     落としたチョコを拾い、ゴミ箱に捨てる。

サユリ 緊張する…。
妹   お姉ちゃん、それ5回目。もっと楽にしたら?
サユリ でも、もし落ちたら…。
妹   たかがバイトの面接じゃん。大丈夫だって、落ちたって死にやしないんだから。
サユリ …やっぱり断ろうかな。
妹   そうやって逃げてばっかり! いつやるの!? …今でしょ!
サユリ ……(苦笑い)。
妹   …ごめん、ツッこんで。恥ずいから。
店員  サユリさん?
サユリ あ、はい!
店員  お待ちしていました。本日は当社の食品募集に応募して頂き、ありがとうございます。
サユリ は、はい! …へ? しょくひんぼしゅう?
妹   なにそれ?
店員  あら、お忘れですか? サユリさんは、

     店員の口元がアップで映る。
     何かを話しているが、内容は聞こえない。
     話し終えると、サユリ、妹に催眠がかけられる。

    ※以後、2人は明らかに変な思考回路になる。

サユリ …そうだった。どうして忘れてたんだろう(虚ろな感じ)。
妹   …そうだよ。お姉ちゃん、しっかりしてよ(虚ろな感じ)。
店員  ふふ、では参りましょうか?



面接会場。
サユリと店員が向かい合うように座っている。

店員  はじめに、当社の食品募集に応募してくださいまして、ありがとうございます。
サユリ い、いえ、こちら、こそ…。
店員  じゃあまず、なりたい食品を教えて頂けますか?
サユリ はい。私は、チョコレートになりたいと思ってます(緊張して)。
店員  チョコレートですか。志望動機は?
サユリ はい。む、昔食べた御社のチョコレートが、す、すごく美味しくて…憧れだったんです。わ、私も、こんな美味しいチョコレートになりたいなって(緊張して)。
店員  緊張してますね?
サユリ だって…。

サユリの全身姿映る。裸で、恥ずかしそうにしている。

サユリ こんな格好ですから…。
店員  裸は恥ずかしい?
サユリ それは…。
店員  あなたチョコレートになりたいんですよね? 服着てるチョコレートある? チョコレートになったら、ずっと裸でいなきゃいけないんですよ?
サユリ それは、そうですけど…ひゃうっ!(身体触られる)。
店員  うん…甘さは十分そう。胸も大きいし、…あ、お尻すべすべ。
サユリ は、恥ずかしいです…。
店員  でも結構毛深いですね。
サユリ ふぇ!?
店員  当日までちゃんと剃ってきてくださいね。毛の生えたお菓子なんて、クレーム来たらうるさいですし。
サユリ は、はい…
店員  さて、チョコレートになりたいって事でしたけど、チョコレートになる女性は、あなたより年齢層が低いことは知ってます?
サユリ え? そ、そうだったんですか?
店員  チョコレートは鮮度が重要視されますから。一般的にはあなたより年下であるケースがほとんどなんです。あなたの年齢だと…ちょっと厳しいかもしれません。
サユリ そんな…。
店員  胸も大きいし、ミルククッキーとかはどうです? 丁度1つ空きもあるし、お勧めですよ。
サユリ …いえ、やっぱりチョコレートでお願いします。どうしてもチョコレートになりたいんです!
店員  分かりました。では、第一希望がチョコレート。クッキーを第二希望っていうのでどうですか?
サユリ はい、それなら大丈夫です。



妹   なになに、『今回は当店の食品募集に応募して頂きありがとうございます。選考の結果、サユリ様を当社のミルククッキーとして採用することを…』、おお、合格おめでとう!
サユリ はぁ、やっぱりチョコレートは駄目だった…。私みたいな年増じゃ、チョコレートは無理なのかな。
妹   年増って…お姉ちゃんが年増扱いされる世界とかキモいから。全員ロリコンかよ。
サユリ でも…。
妹   この会社、一流企業だよ。そこのお菓子になれるなんて、凄いことじゃん。
サユリ ……。
妹   そんなに嫌なら、断れば?
サユリ それは嫌! 女の子は食べ物になるために生まれてきたんだから。そろそろ私も食べ物になって、誰かの栄養になってあげないと。
妹   その気持ち、分からなくもないけど。
サユリ それに、この年まで人間でいるなんて、いざ食べ物になったとき、みんなに笑われちゃうよ…。

     間

妹   いいじゃん、ミルククッキー。好きだよ。いざとなったら私が買ってあげるから。
サユリ 身内に食べ物になった姿を見られるのは、ちょっと恥ずかしいかな…。



スーパーマーケットの倉庫。
裸のサユリと店員がいる。

サユリ うぅ…(恥ずかしそうに)。
店員  ほら、隠さないで!
サユリ は、はいぃ…。
店員  これよりあなたは当社の商品であるミルククッキーとして扱われます。宜しいですね?
サユリ はい…。
店員  では少しの間、ここで待っていてください。

店員、はける。

サユリ いよいよ私、クッキーになるんだ…。おいしくなれるのかな…あれ?

正面に無造作に置かれる袋に気づく。

サユリ なんだろう、この袋。…あっ、分かった! 完成した食品を入れるんだ! はぁ、クッキーじゃなくて、チョコレートとしてこの中に入りたかったなぁ。

     袋を掴み、顔の正面い持っていく。
     その中に、自分が入っている妄想にふける。

サユリ この中に入るのかぁ。中から外見えるのかな? …私を食べて❤…なーんて、

袋が光る。

サユリ へ? …袋が光って…きゃっ!?

     サユリの身体が浮く。

サユリ や、やだっ!? 身体が宙に浮いて…。

     光線に包まれ、サユリの身体が変化する。

サユリ 《3秒》い、いやああぁあぁぁぁぁああぁぁぁぁぁ!(光線を浴びる)

     無理やり直立姿勢に変えられ、姿かたちもクッキーのように平べったくなる。
     表情も、恐怖から満面の笑みへ変わる。

サユリ 《3秒》いやあああああぁぁぁぁぁぁ!(腕が無理やり身体に添えられ、直立になる)
サユリ 《3秒》ぁぁぁぁ、あっ、あっ、ああ、あっ、あうっ!(足が伸ばされ、無理やり直立になる)
サユリ 《3秒》あ、ああ、あっ、…あ…あ…あ…あは❤(徐々に笑顔の表情になる。『あは』の部分は微笑むように)

※↑の4つの台詞は、文字数ではなく、秒数を基準としてください。書いてある台詞は参考程度でお願いします。
また、1秒4円として計算しました。

サユリ やだっ、なにこれ…身体が勝手に動いてく…!
サユリ 身体がほわほわして、ポカポカして…なんだろう、これ…気持ちい…かも…。

※↑の2台詞は変化中のサユリの心情です。

小さなクッキーとなったサユリが宙に浮いており、袋の入り口へと移動する。

サユリ 袋が大きくなった? …違う、私が小さくなったんだ。

袋の中にゆっくり入っていく。

サユリ あ、袋の中に入ってく…。

袋に入ると、入り口が閉じる。
袋の表面にサユリと『私を食べて❤』の吹き出しのイラストが浮かび上がる。

サユリ 閉まっちゃった…ふわっ!?

サユリクッキーの入った袋が床に落ちる。

サユリ 身体、全然動かない…これってやっぱり、クッキーに…なっちゃたのかな?

     袋の中から、袋の表面に浮かび上がった文字『ミルククッキー』に気づく。

サユリ うっすらと文字が見える…。えっと、これって『ミルククッキー』? さっき、店員さんも言ってたし…私、ミルククッキーになったんだ…。うぅ、つくづくチョコと縁がないなぁ…。
カナエ うわ~、おいしそうなミルククッキー!
サユリ へ?

隣にサユリクッキーと同じ種類のミルククッキーが置かれていた。

カナエ あたし、ミルククッキー! よろしく!
サユリ よ、よろしく。私は、サユ…じゃなかった。み、ミルククッキー。
カナエ こら! あたしは、ミルククッキーちゃんより先に出来上がったんだよ。つまり、先輩なんだから、けいご使わないとだめでしょ?
サユリ ご、ごめんなさい!
カナエ わかればよろしい! それにしても、ミルククッキーだなんて、…あたしと一緒だね! 
サユリ そうですね。どっちも同じ名前なんて、なんだか変な気分です。
カナエ 当たり前だよ。あたしたち、食べ物なんだから! 人間と違って、1個1個に名前なんてあるわけないじゃん!
サユリ そうですよね。…私、もうミルククッキーなんだよね。
カナエ ねーねー! ミルククッキーちゃんはどんな人に食べてもらいたい?
サユリ どんな人…そうですね…、あんまり考えたことなかったです。
カナエ あたしねー、お父さんに食べてもらいたーい。ぱっくんされて、もぐもぐされるの!
サユリ うふふ、食べてもらえるといいですね。
カナエ うん! 一緒に、お父さんの栄養になろうね!
サユリ え、私もあなたのお父さんに食べられちゃうんですか?
カナエ 食べられようよ~! あたしだけじゃ、お腹に入ったとき寂しいし。…あ、お腹と言えば、食べられたらあたしたち、やっぱりうんちになっちゃうのかな?
サユリ え? そ、そこまでは考えたことなかったですね…。
カナエ うぅ…それ考えると、お父さんにうんちになった姿、見られたくないな…。
サユリ まぁ、どちらにせよ、私たちじゃ決められませんね。買われる側ですし。
カナエ お父さん、絶対買ってくれると思うんだけどなぁ…。
店員  あの子どこに…あら?

     店員、サユリクッキーに気づく。

店員  あらあら、もうクッキーになっちゃって。待ち切れなかったんですかね?

     店員、サユリクッキーを持ち上げる。

店員  『私を食べて❤』だなんて、このイラストといい、見かけによらず大胆なんですね。もっと内気な子だと思ってたのに。
サユリ はぅ…。

    店員、サユリクッキーの質感を確かめる。

店員  思った通り、上質のクッキーになりましたね。表面も綺麗だし、匂いも悪くないですね。見た目だけでも美味しそうに見えるし、今度こそ絶対売れそうですね。
サユリ 私、おいしそうに見えるんだ…よかった。
店員  それにしてもおいしそう。食べちゃいましょうか?
サユリ ふえ!?
店員  ま、もったいないからしないですけど。
サユリ よかった。買われる前に食べられちゃうの、嫌だもんね…。
店員  さてと、さっさと店頭に並べましょうか。…ん?(カナエクッキーに気づく)
カナエ ふわぁ!?
店員  う~ん、これちょっと小さ過ぎですね。あまり小さすぎるとクレーム来るし…、もったいないけど、廃棄ですね。
カナエ え、はいきって…。

店員が、カナエクッキーの袋を破り外へ出す。
砕こうと手を添える。

店員  砕いて試食コーナーに入れましょう。
カナエ ま、まってよ! あたし、小さいけどちゃんと食べられるよ! 小さい方が味もひきしまってるはずだし! やだ、やだ…せ、せめて、誰かにちゃんと買われて…い、いやぁ……やめて、

真っ二つに折る。折った瞬間、カナエの声が聞こえなくなる。

サユリ ミルククッキーさん? ミルククッキーさん!?

無残に砕かれ、試食コーナーに置かれる。

サユリ ミルククッキーさん、あんなに買ってもらえるの楽しみにしてたのに…。

サユリクッキーにも手が伸ばされ、持ち上げられる。

サユリ あっ。

     商品棚に置かれる。隣には、ノゾミクッキーと普通のチョコクッキーが置かれている。

サユリ これが商品棚から見る景色…。不思議。私、本当に食べ物になっちゃったんだ。
ノゾミ あら、可愛らしいミルククッキーちゃんね。こんにちは。
サユリ え? あ、こ、こんにちは!
ノゾミ はじめまして。私、ミルククッキー。あなたと一緒ね。税込で、198円よ。
サユリ 私も、その、ミルククッキーです。はじめまして! 税込だと、えっと…。
ノゾミ うふふ、良いわね、出来たてホカホカで、あなたとっても美味しそう。
サユリ そんな…ミルククッキーさんも美味しそうです。
ノゾミ 買われるまでの短い間だけど、仲良くしてね。
サユリ は、はい!
ノゾミ ちなみに、あなたの隣が、チョコクッキーさん。ちゃんとあいさつした?
サユリ あっ! …は、はじめまして、チョコクッキーさん! 私、ミルククッキーです! 出来立てで、まだ世間知らずですが、よろしくおねがいします!

    間

サユリ あの、チョコクッキーさんと私って、材料やっぱり違うんですか? ちなみに私は、ミルクって名前がついてますが、牛乳よりバターの方が多めで作られてて…。

    間

サユリ あの…チョコクッキーさん?

    間

サユリ 私、嫌われてるんですかね?
ノゾミ うふ、実は私も返事もらえなかったのよ。さっき偉そうなこと言ったけど、私もクッキーとしてはまだ新米だし。
サユリ そ、そんなぁ。じゃあ、新入りの私が返事なんかもらえる訳ないじゃないですか!
ノゾミ ごめんなさい、ちょっとからかっちゃった。
サユリ もう…。

店の蛍光が消える。

サユリ あ、暗くなった。
ノゾミ 今日は、もう閉店みたいね。
サユリ ええ!? 私、まだ誰にも触れられてないのに…。



サユリ 静か、ですね…。
ノゾミ 普段はすっごくうるさいのにね。

    間

サユリ 実は私、本当はチョコレートになりたかったんです。
ノゾミ チョコレート? クッキーじゃなくて?
サユリ ええ。でも私の年齢じゃチョコレートは厳しいって言われて、こうしてミルククッキーに。
ノゾミ ……。
サユリ 店に並ぶ直前、小さなミルククッキーと知り合ったんです。でも、小さすぎるからって廃棄されて、そこに…。
ノゾミ ……。
サユリ あれほど楽しみにしてたミルククッキーさんが廃棄されて、私みたいなのがこうして売られちゃうなんて…。
ノゾミ よかったじゃない。
サユリ え?
ノゾミ ミルククッキーになれて。この時期チョコレートは最悪よ。すぐ溶けちゃうし。
サユリ で、でも!
ノゾミ それに、そのミルククッキーちゃんは仕方ないわよ。店の売り物である以上、所有権は店の人にあるんだから。私たちお菓子は、黙って運命を受け入れるしかないわ。
サユリ ……。
ノゾミ それに、別に捨てられたわけじゃないわ。試食コーナーで、大勢の人に食べてもらえるのよ。そう考えれば、幸せものよ。
サユリ ミルククッキーさん…。
ノゾミ でも、折角生まれてきたんだから、せめて買われたいものだけどね。だから、精一杯アピールしましょう!
サユリ は、はい!



サユリ 私、とってもおいしいですよ! サクサクしてるし…あっ!

     客、去る。

サユリ ハァ…失敗。
ノゾミ 惜しかったわね。あの人、結構悩んでたみたいだったし。
サユリ でも、買ってもらえなきゃ意味ないですし。
ノゾミ 焦らない焦らない、その内チャンスも……あっ!

続いてノゾミクッキーも客に掴まれ持ち上げられる。

ノゾミ どう? おいしそうでしょ? 栄養満点だし、今日のおやつに……ああ!

ノゾミクッキーも棚に戻される。

ノゾミ 残念。
サユリ ドンマイです。
ノゾミ そうね、次こそ…。

チョコクッキーが買われる。

ノゾミ あぅ…負けちゃった…。
サユリ チョコクッキーさん、かっこいいな…。黙って買われていくなんて…。
ノゾミ わ、私たちも負けちゃいられないわね! 一刻も早く買って…きゃっ!

店員にノゾミクッキーが持ち上げられる。

ノゾミ あ、店員さん…きゃっ!
店員  これ結構古かったですよね? 廃棄しましょうか。
ノゾミ はいき…?

店員がノゾミクッキーを持って棚を離れていく。

ノゾミ う、うそ…そんな、いや! まだ私食べられます! お願い! 捨てないで!
サユリ ミルククッキーさん!
ノゾミ やだ! やだやだ! ゴミ箱になんて行きたくない! 食べて! お願い! 誰でもいいから食べてぇええ!

     ゴミ箱に投げ捨てられる。同時に声も聞こえなくなる。

サユリ ミルククッキーさんまで廃棄処分になるなんて…早く買われないと私も…!
妹   お腹すいた~。
サユリ この声、どこかで…。
妹   お、丁度1個あるし。ラッキー。
サユリ あっ…。

妹、サユリクッキーを掴みレジへ持って行く。

サユリ 私、買われたんだ。
店員  198円になります。200円お預かりします。2円のお返しになりますね。ありがとうございます。
妹   早く食べよう。部活間に合わないし。
サユリ 良かった。私、食べてもらえるんだ。へへ、嬉し…あっ。
妹   いっただきま~す! …あむ。

サユリクッキーをかじる。

妹   何これ!? 超うまいし!
サユリ かじられちゃった…えへへ、凄く不思議な気分…。
妹   もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ。
サユリ 私、食べられてる。あ、溶けて…消えていく…ふふ、しあわせ―――。
妹   はぁ~、美味しかった。ごちそう様でした!



ゴミ箱の中。他のゴミにまみれ、ノゾミクッキーが泣いている。

ノゾミ うぅ…私、捨てられちゃったんだ。どうして、こんなことに…。
店員  ちぇっ、試食品ぐらい食べてってくれてもいいのに。
ノゾミ 店員さんの声?

ゴミ箱の蓋が開けられる。

店員  もったいないけど、廃棄しましょう。

入り口から、バラバラのクッキーが落ちてくる。
丁度、顔の部分がノゾミクッキーの正面にくる。

ノゾミ このクッキー…試食コーナーの…。
店員  あ、そうだ。別のゴミも入れないと…。
ノゾミ ! か、カナエ!?

     バラバラのクッキーがカナエだと気づくと同時に、ゴミ箱の入り口から別のゴミが入れられる。それに押しつぶされ、ノゾミクッキーも砕け、意識も消える。

(了)




■キャスト

藍沢夏癒    様  : http://natyuyu.blog.fc2.com/

彩瀬ゆり    様  : http://shiho.moe.in/v/

天川みるく   様  : http://milkytime.kirara.st/

浅見ゆい    様  : http://butterfly.holy.jp/

みる☆くるみ  様  : http://mirukurumidiary.blog66.fc2.com/
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